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専門家活用2025-07-11

士業に何を相談する?専門家の選び方完全ガイド

社労士・税理士・行政書士・司法書士・弁護士...それぞれの専門分野と相談タイミングを徹底解説

なぜ士業の選び方が重要なのか?

起業や事業拡大の際、どの専門家に相談すべきか迷うことはありませんか? 各士業には「独占業務」と呼ばれる専門領域があり、適切な専門家を選ぶことで 手続きの効率化、コスト削減、リスク回避が可能になります。

主要士業の専門分野比較

専門家独占業務・主戦場相談すべき場面相場感
社会保険労務士労働・社会保険手続きの代理
就業規則作成・労務コンサル
従業員採用・退職時
助成金申請・人事制度設計
月額3-10万円
単発5-20万円
税理士税務申告・税務代理
会計・財務コンサル
決算・税務申告
節税対策・資金繰り
月額5-15万円
決算20-50万円
行政書士官公署許認可申請
契約書・申請書作成
建設業許可・運送業許可
各種申請手続き
単発5-30万円
継続3-8万円/月
司法書士不動産・商業登記
相続・債務整理
会社設立・役員変更
不動産登記・相続手続き
会社設立8-15万円
登記5-10万円
弁護士裁判・交渉代理
法的紛争解決
労働紛争・契約トラブル
知的財産・倒産処理
相談料1-3万円/時
成功報酬10-30%

社会保険労務士(社労士)に相談すべき場面

✅ 相談すべき場面

  • 従業員を初めて雇う時(社会保険加入手続き)
  • 助成金・補助金の申請
  • 就業規則の作成・見直し
  • 人事制度の設計・改善
  • 労働時間管理・36協定の対応

❌ 相談しない方が良い場面

  • 税務申告・節税対策
  • 会社設立・登記手続き
  • 裁判・法的紛争の解決

💡 実例:A社のケース

A社(従業員15名)は初めて助成金申請を行う際、社労士に相談。 申請書類の作成から提出まで一括サポートを受け、3ヶ月で200万円の助成金を獲得。 その後、就業規則の整備も依頼し、労務リスクを大幅に軽減できました。

税理士に相談すべき場面

✅ 相談すべき場面

  • 法人税・所得税の申告
  • 節税対策・税務計画
  • 資金繰り・財務分析
  • 消費税の確定申告
  • 税務調査への対応

❌ 相談しない方が良い場面

  • 労働法・人事制度の相談
  • 会社設立・登記手続き
  • 裁判・法的紛争の解決

💡 実例:B社のケース

B社(売上1億円)は税理士に相談し、適切な節税対策を実施。 年間で約300万円の税負担を軽減し、その資金を設備投資に回すことができました。 また、月次での財務分析により、資金繰りの改善も実現しています。

行政書士に相談すべき場面

✅ 相談すべき場面

  • 建設業許可・運送業許可の取得
  • 飲食店営業許可・古物商許可
  • 各種申請書・契約書の作成
  • 外国人雇用の在留資格申請
  • 相続手続き・遺言書作成

❌ 相談しない方が良い場面

  • 税務申告・会計業務
  • 会社登記・商業登記
  • 裁判・法的紛争の解決

💡 実例:C社のケース

C社(建設業)は行政書士に建設業許可の取得を依頼。 通常3-6ヶ月かかる手続きを2ヶ月で完了し、新規事業への参入を加速できました。 その後、各種許認可の更新も定期的にサポートしてもらっています。

司法書士に相談すべき場面

✅ 相談すべき場面

  • 会社設立・法人登記
  • 役員変更・本店移転の登記
  • 不動産登記・抵当権設定
  • 相続登記・遺産分割
  • 債務整理・個人再生

❌ 相談しない方が良い場面

  • 税務申告・会計業務
  • 労働法・人事制度の相談
  • 裁判・訴訟の代理

💡 実例:D社のケース

D社は司法書士に会社設立を依頼し、1週間で法人登記を完了。 その後、事業拡大に伴う本店移転登記も迅速に処理してもらい、 事業の機会損失を最小限に抑えることができました。

弁護士に相談すべき場面

✅ 相談すべき場面

  • 労働紛争・解雇トラブル
  • 取引先との契約トラブル
  • 知的財産権の侵害
  • 倒産・債務整理
  • 刑事事件・コンプライアンス

❌ 相談しない方が良い場面

  • 日常的な税務・会計業務
  • 社会保険・助成金の手続き
  • 会社設立・登記手続き

💡 実例:E社のケース

E社は従業員との解雇トラブルで弁護士に相談。 適切な法的アドバイスにより、裁判に発展することなく解決。 その後、就業規則の見直しも行い、再発防止策を確立しました。

どの専門家に相談すべき?判断フロー

1. 従業員の採用・退職・労務管理

社会保険労務士

社会保険手続き、就業規則、助成金申請など

2. 税務申告・節税・財務管理

税理士

法人税申告、消費税、資金繰りなど

3. 許認可・申請手続き

行政書士

建設業許可、運送業許可、各種申請書など

4. 会社設立・登記・不動産

司法書士

法人登記、不動産登記、相続手続きなど

5. 法的紛争・トラブル解決

弁護士

労働紛争、契約トラブル、知的財産など

専門家選びのポイント

✅ 良い専門家の特徴

  • 業界・規模に応じた実績がある
  • 料金体系が明確で透明性が高い
  • 他の専門家との連携体制がある
  • 定期的なフォローアップがある
  • 緊急時の対応が可能

❌ 避けるべき専門家の特徴

  • 料金が不明確・後から追加請求
  • 専門外の業務も請け負う
  • コミュニケーションが取れない
  • 実績や経験が不明
  • 法的責任を回避しようとする

費用比較と予算の目安

事業規模推奨専門家年間予算目安備考
創業期
(1-5名)
司法書士(設立)
税理士(月次)
社労士(必要時)
30-50万円設立費用含む
月次顧問料中心
成長期
(5-20名)
税理士(月次)
社労士(月次)
行政書士(必要時)
80-150万円助成金申請
人事制度整備
拡大期
(20-100名)
税理士(月次)
社労士(月次)
弁護士(顧問)
200-400万円コンプライアンス
リスク管理強化
大企業
(100名以上)
税理士法人
社労士法人
法律事務所
500万円以上専門チーム体制
包括的サポート

よくある質問(FAQ)

Q: 複数の専門家に同時に依頼しても良いですか?

A: はい、むしろ推奨されます。各専門家が連携することで、より包括的なサポートが受けられます。 例えば、税理士と社労士が連携すれば、給与計算から税務申告まで一貫して対応できます。

Q: ダブルライセンス(複数資格)の専門家は良いですか?

A: メリット・デメリットがあります。ワンストップで対応できるメリットがある一方、 各分野の専門性が薄まる可能性もあります。事業規模や複雑さに応じて判断してください。

Q: 専門家の変更はいつでも可能ですか?

A: 基本的には可能ですが、契約内容や業務の進行状況によっては制限があります。 変更時は引き継ぎをしっかり行い、業務の継続性を確保することが重要です。

Q: 緊急時はどの専門家に相談すべきですか?

A: まずは現在の顧問専門家に相談し、必要に応じて他の専門家を紹介してもらうのがベストです。 法的紛争の場合は弁護士、税務調査の場合は税理士が最優先です。

まとめ:適切な専門家選びのポイント

各士業には明確な専門分野と独占業務があるため、課題に応じて適切な専門家を選ぶ
複数の専門家との連携により、より包括的で効率的なサポートが受けられる
事業規模や成長段階に応じて、必要な専門家と予算を調整する
専門家選びは長期的な関係構築のため、信頼性とコミュニケーションを重視する

次のステップ:まずは現在の課題を整理し、最も緊急性の高い分野の専門家から相談を始めることをお勧めします。 多くの専門家が初回相談を無料で行っているので、積極的に活用してください。